手軽に飲めるペットボトルのお茶は利便性が高く、とても助かっている。
だが、たまには急須で淹れたお茶を味わってみてはどうだろう。
茶筒を開けた瞬間の爽やかな香り、丁寧に淹れたお茶の甘みと苦みの調和は本当に素晴らしいからだ。
なんとなくおいしいお茶が飲みたくなり、丸竹園様へお邪魔することにした。
お茶を極めるため独立
出迎えてくださったのは丸竹園の大竹和義会長。
仙台にある大竹園4代目の次男として生まれ、自らもお茶を極めると決心し、昭和50年に丸竹園
として現在の場所へ店を構えたそうだ。平成元年に店舗をリニューアルし、現在に至っている。
丸竹園茶舗の店内
道路に面した店舗はガラス張りで明るく、外からでも季節感のあるディスプレイが目に入り、ちょっと寄ってみたくなる雰囲気だ。
店内に入ると正面のショーケースに国産茶葉が品よく並んでいる。そして次に目を奪われたのはお茶道具の数々。外からはわからなかったが、思っていたよりたくさんある。奥様がこだわって仕入れ、従業員の方と一緒に飾っているそうだ。 自分で楽しむだけでなく、お茶と合わせて贈り物にするのも選び甲斐があるだろう。
返礼品の取り扱い
また、香典返しや法事の引き物も扱っている。中にはお茶屋のコーヒーという商品もあった。
自信作とのことなので、こちらもぜひ試してほしい。
会長に淹れていただいたお茶
あちこち見入っているうちに、会長が直々にお茶を淹れてくださった。
気負うことなくさらっと淹れているように見えたそのお茶は、
温度、旨み、甘みが絶妙で疲れた心身に沁みた。
訪れたのが夕方だったこともあり、一日の仕事の疲れを労ってもらったかのように感じて、すっかりくつろいでしまった。
お茶の淹れ方
世間話で盛り上がる中、お茶をおいしく淹れるポイントをいくつか教えていただいた。
- 水道水を使う場合、5分ほど沸騰させカルキの匂いを抜く。
- 80度以上の熱い温度のお湯で淹れると苦み成分のタンニンが多く出てしまい、せっかくの旨みが感じにくくなってしまう。
お湯はまず湯呑みや湯冷ましへ注ぎ、適温に冷ますこと。70度くらいだと甘みが引き立つ。 - お茶の浸出時間は30秒から1分ほど。
- 急須に入れたお茶は最後の一滴まで出し切ると旨みの一番濃い部分が楽しめ、さらに二煎じ目のお茶もおいしくなる。
- お茶は湿気、熱、光に弱い。空気の入らない容器へ入れ、冷暗所で保存する。
お茶講話のほんの一部である。極める道は遠そうだ。 だが、面倒くさいなどと言わず、気の向いたときだけでもぜひお試しあれ。
ティーバッグでも美味しい緑茶
いろいろ注意点があってやはり面倒と思った方には、まずティーバッグからトライして欲しい。個別包装タイプなら、手間も省け、品質も保つことができる。
お土産にいただいたお茶で試してみた。
今回教えていただいた通り、湯冷ましを使っただけで、全然違う仕上がりになる。言われなければ、マグカップで淹れたお茶とは気づかないだろう。
目安となる情報は色々あるが、それだけですべてのお茶がおいしくなるわけではない。なぜなら、その日の気分、体調、気温、お茶請けなど、お茶を口にするその瞬間に感じるおいしさの基準はいつも違うからだ。
ただ、選び方、淹れ方により、味が変わる理由を知っていれば、その時々の「一番おいしい」を楽しむことができる。
科学的根拠は覚えずとも、「今日はこんなお茶を飲みたいからこう淹れよう」なんてことが肌感覚でできたら、ちょっとかっこいいのでは?と話を聴きながら思ってしまった。
詳しいアドバイスは選ぶお茶によって違ってくるため、やはりお店で確認するのが良いだろう。自分好みを探しにぜひ足を運んでみて欲しい。
アクセス
住 所:宮城県仙台市宮城野区小鶴2丁目5−48
電 話:022-252-0440
営業時間:9:00~18:00
定休日:毎日曜日