「かみ村」といえば、おしゃれで美味しい仕出し屋さんとして地元で親しまれている。
だが現在、メインはお蕎麦屋さん、仕出し料理はテイクアウトという二刀流へ変身していたとは驚きであった。
これはやはり、自分の目と舌で確認しなければと思い足を運ぶことにした。
本店は大河原にあるという「一匠庵」。その支店として、2022年12月にオープンした「一匠庵 七ヶ浜店 かみ村」は、一番粉から三番粉までを使用した味わい豊かな十割蕎麦を提供していただけるお店である。
そして、蕎麦の香りや風味、喉越しをぜひ堪能してほしいという想いが、おかわりし放題というなんとも珍しい形態になったのだそう。
駐車場は店の少し奥、近くまで行くと入口に案内看板があるので、お見逃しなく。
店内に入るとすぐに、メニュー写真付きの券売機があり、食券を購入。
入口で食券を渡し、その後席へ案内してもらえるシステムだ。
時節柄、水とそば茶はセルフサービス、とここまではよくあるが、蕎麦湯もセルフなのだ。
尚、コロナ感染対策認証店なので、安心して来店してほしい。
今回はお店イチオシの一匠庵セットを注文。
温かい鴨汁と冷たいそばつゆという二種類の味が同時に味わえ、更に天ぷら、ミニデザート付きのお得なセットである。
程なくして運ばれてきた蕎麦は十割蕎麦らしい、黒っぽく、つやつやで細めのタイプである。鴨のだしがよく出た、あたたかいつけ汁でいただくと、細いながらもしっかりとしたコシがある。
こちらの鴨汁には紅茶を餌に混ぜて育てた鴨肉を使用しているそうだ。鴨肉独特の野生の臭みがなく、香りのよい上質な鴨肉を味わえる。
なんでも、鴨肉の脂肪は溶融温度が低いので、体内に蓄積しにくい優れた食品とのこと。美味しいうえに、うれしい効果もあるらしい。
冷たいそばつゆでいただく蕎麦は、キリリと締まっていて自慢の喉越しが心地よい。完食し、そこそこおなかは満たされていたが、せっかく来たのだからと、おかわりをしてみることにした。席に置いてある「おかわりカード」を渡すと、何杯でもおかわりができるのだ。
周りの様子を窺うに、ほとんどの方がおかわりをしているようであった。
まもなく運ばれてきた蕎麦は最初と変わらず、しっかり一人前であり、一瞬ちらりと後悔したが、細めで喉越しが良いせいか、意外と難なく食べ切ることができた。
この辺りは七ヶ浜という地名どおり海が近い。季節にもよるが、湊浜や菖蒲田浜の散策でのんびり水平線を眺める時間を過ごしてみてはどうだろう。
また、少し足をのばして代ヶ崎浜の多聞山までドライブがてら松島四大観のひとつに数えられる“美観”を楽しむのもおススメである。ただ、“美観”へたどり着くには少々歩くので、その心積りはお忘れなく。
あちこち巡り、おなかを空かせておかわり記録へチャレンジするのも良いだろう。ただ、自分は今後、適正量をじっくり味わうことにしようと思う。
実は店内に入ってすぐ、気になるものを発見していた。
頭上から何やら澄んだ音が響いて来る。それはリラックス効果があると言う、「ソルフェジオ周波数」を奏でる風鈴の音色であった。
コロナ禍の生活で疲れた心身をいたわりたい方はお店へお問い合わせを。
はじめに紹介したとおり、テイクアウトのみだが、法事などの仕出し料理もお願いできる。こちらの料理も定評があるので、ぜひご利用いただきたい。