仏膳とは

仏事において様々なタイミングで必要になるのが仏膳であり、仏教における真宗以外の宗派でお供えするお膳のことを仏膳といいます。

近年は葬儀やご法事でも仕出し料理店に依頼することが多くなりました。自宅のお仏壇にお供えする方も以前より減っているようで、仏膳に触れる機会も少なく、使い方もよくわからないのではないかと思い、今回は仏膳についてお話しさせて頂きたいと思います。

霊供膳とは

霊供膳(れいぐぜんやりょうぐぜん)のことを仏膳と呼んでいます。また、供養膳や御霊供膳(おりょうぐぜん)とも呼ばれています。

仏膳に盛り付ける料理は精進料理ですので、白飯と一汁三菜が基本になります。精進料理ですので肉や魚をお供えすることは出来ませんし、にら・ねぎ・にんにく・らっきょう・しょうがの香味野菜も五辛と言って仏教徒では禁食されている食べ物ですので使用しません。

道教(中国)では心が落ち着かず修行の邪魔になるとされ食べない方が良いとされています。椀に盛り付ける煮物の出汁も動物性のものではなく椎茸などを使います。

市販されているお仏膳椀セット

仏具店には自宅などで使用する仏膳椀セットが販売されています。
大きさも小さいものから大きいものまでありますし、畳など下に置いてもいいようにお膳が背高になっているものや、仏壇にお供えできるようなお膳の高さが低いものもあります。

仏膳の並べ方ですが、器は仏様側から見て手前に箸、左に親椀、右に汁椀、中央に高杯、左奥には平椀、右奥には壺椀を並べるのが基本ですが、宗派や寺院様によっては並べ方に違いが出てきますので気を付けてください。わからない場合は寺院様にご相談されると良いでしょう。

親椀 白飯(山盛りになるように盛り付けます)
汁椀 味噌汁やお吸い物 わかめや豆腐など
平椀 野菜の煮物 野菜の煮炊きやかぼちゃ煮など
壺椀 おひたしや和え物 胡麻和えやなます、ほうれん草のおひたしなど 
高杯 漬物(香の物)「身を切る」と言われる3切れではなく2切れ盛り付けます

仏膳のお供えは一つ?それとも一対?

仏膳のお供えは一つでもいいのか迷われる方もいらっしゃると思いますが、寺院様のご指導があった場合を除きお供えできる場所があるなら一対が望ましいでしょう。

良く聞くお話しでは、故人様とご先祖様にお供えするので一対必要です。また、故人様やご先祖様と無縁様にお供えするので一対必要と言われています。

地域、宗派、寺院様によって儀礼作法が異なりますので寺院様に確認なさるとよいでしょう。

仏膳はどんな時にお供えすればいい?

地域や宗派、寺院様によっても違いがあります。
一般的には忌日から初七日,初七日から四十九日までの毎週の該当日、四十九日や百か日、祥月命日、年忌法要などにお供えします。また、故人様やご先祖様の霊がこの世に戻ってこられるお盆やお彼岸もお供えするとよいでしょう。

お供えした仏膳の交換はいつすればいいの?

明確な決まりはありません。お供えした仏膳はすぐに下げても構いませんが、四十九日や新盆で親戚が訪ねて来られた時に、仏膳がお供えされてないと、ご指摘を受けるかもしれませんので、朝にお上げして夕方下げるのが良いのではないでしょうか。一般的にも多いようです。

お供えした仏膳は食べるの?捨てるの?

下げた仏膳は捨てずに食べるのがよいのですが、早めに下げないと食べ物が傷んでしまいます。食べ物を粗末にしないという観点からは、長時間はそのままにせず早めに食べたほうが良いという意見もあります。

故人や先祖様は料理の湯気を召し上がりますので、料理が冷めてしまったら下げてもいいのかもしれません。

食べる場合は早めに下げて食材が傷んでないか十分に気を付けてください。
捨てる場合はお清めをし、お礼をして捨てるのが良いのではないでしょうか。地域や宗派、寺院様によっても違いますので、迷われた方は寺院様に確認頂くことをおすすめします。

仏膳をお供えすることで故人やご先祖様とのつながりを、より一層大切にされるのが良いかと思います。

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