葬儀の役割とは Vol.2 ~物理的役割について~

葬儀とは「葬送儀礼」の略であり、臨終から死後の喪に至るまでの死別に出逢った人が営む「悲しみ」、「葬り」、「悼み」の儀礼です。お葬式の役割としては4つの役割があるとされています。それは、「社会的役割」「物理的役割」「宗教的役割」「心理的役割」です。

今回は「物理的役割」についてお話しいたします。

物理的役割

物理的役割、それは遺体の処理です。死者との決別の一つとして、火葬や埋葬をすることにより見える形で遺体とお別れをします。

死者の身体である遺体は生命を失うことによって腐敗を開始します。そのため、土に埋めたり火で燃やしたりして処理を行う必要が出てきます。

この物理的役割もご遺族にとって大切な故人との別れのプロセスです。単なる物理的な処理ではありません。

火葬の歴史

縄文時代の遺跡からも火葬した骨が出土していることから、始まりはその頃と考えられます。

文献記録上、日本で最初に火葬された人物は仏教僧の道昭。粟原寺で火葬され、一般的には火葬の習俗はまず天皇や貴族、地方豪族などの上層階級から広がっていったとされています。

平安時代以降、皇族、貴族、僧侶、浄土宗門徒などに火葬が広まった後も、土葬が広く用いられていました。理由として、一般庶民にとっては土葬の方が安上がりだったためとの説があります。生活必需品としても貴重だった薪を大量に用いる必要があったこと、また、効率よく焼くための高度に専門的な技術が求められるため、火葬は費用がかかる葬儀様式であったようです。

明治になり公衆衛生的観点からより火葬を扱うようになりました。また、大正時代になるとより地方公共団体が火葬場設営に積極的になりました。土葬より火葬の方が費用や人手が少なくて済むようになったこともあり、現代の日本では火葬が飛躍的に普及し、ほぼ100%火葬となったようです。

※Wikipediaより一部抜粋

次回は宗教的役割についてお話いたします。

おすすめの記事