神棚 Vol.1

神棚とは「神道」の神様を祀るためのものです。

ご実家やお勤め先に神棚はあるが、自宅には無いという方も増えています。お仏壇もそうですが、最近の住宅事情により神棚を設置する方も少なくなっているように感じます。お住まいがマンションですと、なおさら場所を設けるのも大変です。

しかし、家内安全の祈願や、見守って下さる神様に日頃の感謝を伝えたりするのに神棚はあっても良いのではないでしょうか。

これからご商売をはじめようと考えている方には商売繁盛を祈願する場として神棚を設置しては如何でしょうか。今回は神棚についてお話させて頂きます。

また冒頭での「神道」については別の機会に触れさせて頂きたいと思います。

神棚はいつ頃から

神棚というものが一般家庭に普及していったのは江戸時代中期と言われています。

伊勢神宮を参拝する人々にお札が配られるようになり、家庭内でもお札をお祀りできる場所が欲しいということが神棚の始まりとされています。これを期に神棚が一般的に広がったと言われています。

また、家にも様々な神様が宿ると考え、自分たちを守護してくださる神様を見える形で祀りたいと神棚を設ける人が増えました。

お札の置く位置

伊勢神宮のお札を中心に、氏神様(住む地域)の神社のお札、宗経神社(参拝した)のお札を祀ることが一般的な祀り方の一つですが、伊勢神宮に参拝に行けない方は、住む地域の神社のお札や、参拝した神社のお札を神棚に祀ります。

神棚はいつ設置するの

お仏壇もそうですが、どのタイミングが望ましいか迷われる方もいらっしゃると思います。特に設置する時期に決まりはないのですが、おすすめのタイミングを少しご紹介させて頂きます。

新年にむけて

神棚のお札は毎年新しいものを神社で授かり、古いものをお返ししますので、 新しいお札を授かるタイミングで設置するのも一つですし、古くなった神棚を取り換えるにも良いタイミングです。

新築や引越し・事務所の設立・開店

新築やリフォーム時に神棚を新しく設置するも良いですし、長く使用されたお仏壇の買い替えや神棚を新しくするのも良いタイミングです。

事務所の設立には、社員の安全(無事に過ごせる)、仕事がうまくいくことを祈ります。
店舗開店には従業員の安全や、商売繁盛を祈ります。

新築などもそうですが、家具などを運び込む前に、神様にお入りいただくのが良いとされています。

ご結婚

夫婦にとっての新たな門出にご準備するのも良いでしょうし、子供が生まれた時に家族の幸せを祈って神棚を設置するのも良いタイミングではないでしょうか。

家庭で神棚をお祀りすることは、神様の恵みに感謝する心を養い、優しさや思いやりの心を育みます。

不運・悲運

家庭内で良くないことが続いた時に厄除けのお祓いに行く方もいらっしゃるでしょう。そのような時に家庭の守り神として設置するのは如何でしょうか。

また使用している神棚を新しい神棚にするのも良いかもしれません。

古い神棚はどうするかは地域によってもやり方やしきたりも違いますので地域の神職にご相談してから新しい神棚をお迎えすることが良いと思います。 そして、設置する場合は吉日が望ましいでしょう。

なるべく、赤口や仏滅は避けて大安や友引を選びましょう。

神棚をお祀りする場所

決まり自体はありませんが、神棚は神様を祀る神聖な場所ですので、清潔な場所であることが大切です。ご家庭なら家族が集まる場所ということでリビングなどが適しています。

会社や事務所でも全員がお参りしやすい場所を選ぶことです。明るく清潔な場所を探してみてください。

設置に好ましくない場所

人の出入りが激しい場所は好ましくありません。神様も、参拝する方も落ち着きませんので設置には向きません。

神様は穢れ(けがれ)を嫌いますので、キッチンや洗面所等の水回りは基本的には避けた方が良いでしょう。

日常的に人が上を通る場所は神様を踏む形になってしまいますので避けた方がいいでしょう。しかし、他にいい場所が見つからず設置したい方は天井に「雲」や「空」と書いた紙や木彫りの文字を神棚の真上に貼りましょう。「この上には何もありません」ということを示し、神様に敬意を払うことが出来ます。

仏壇と神棚を同じ部屋に設置する場合も注意が必要です。向かい合わせに設置するのはよくありません。参拝する際、一方にお尻を向けてしまうことになります。

上下の配置も好ましくはありません。神様と仏様に優劣を付けてはいけません。どうしてもという場合は必ず中心をずらして、最低でも真上、真下にならないように配慮することが必要です。

方角

太陽が昇る東向きや、日差しが注ぐ南向きが良いとされていますが、他の向きがダメと言うことではありません。全員がお参りしやすい場所に設置することが大切です。

不安が蔓延している現代社会において、平常心を失わずに暮らしていけることはなかなか難しいことと思います。

神棚に参拝することで、心が落ち着き日々穏やかな気持ちにさせてくれることでしょう。

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