お仏壇 Vol.3

初めてお仏壇をお求めになる方、お仏壇の買い替えを検討している方にお仏壇を設置する方角や、適した場所についてお話させて頂きたいと思います。

お仏壇を置く向きはどれが正しいの?

お買い求めになる時に気になる要素の一つですね。
お仏壇を置く向きに対する考え方は複数ありますのでご紹介させて頂きます。

南向きにお仏壇

古代中国で君主が南を向いて座る習慣があったことに由来します。
昔から高貴な方は南向きに座られたことからも南向きにお仏壇を置いて手を合わせます。ちなみに京都御所の紫宸殿も同様に南を向いています。

東向きにお仏壇

仏様のいる極楽浄土が西にあるとされることから西に向かって拝むように東向きに安置します。
浄土真宗や・浄土宗・天台宗では、阿弥陀様が西にいらっしゃるとの考えから、西の方角に向かって手を合わせるため、お仏壇は東に向けて置くこともあるようです。

本山向き

ご宗派のご本山がある方角に向くようにお仏壇を設置します。
これは同じ宗派でも自宅と本山の位置関係が異なりますので、置く向きは家庭によっても違ってきます。
これらの紹介させて頂いた方角は宗派がある方に適しています。もし、菩提寺の指示などがあれば従って配置するのがよいでしょう。

それでは無宗教の場合はどうすればいいのか?宗派が無い場合は自由な向きで設置して構いません。
ただ、自由で構いませんと言われても困惑することもあると思いますので、こちらを参考にしてもらえると良いかと思います。

春夏秋冬

これはどの方角に置いてもよいとする考え方で、故人やご先祖様が安らかに眠れる場所にお仏壇を設置します。

四季を方角にみたてて考えています。春夏秋冬どの季節にも自然は平等に恵みをもたらします。 東西南北どの方角も平等で、差をつけるべきではないという考え方です。

十方浄土

東西南北上下四惟(東南・西南・東北・西北)の十方にある浄土。あらゆる方角に仏の世界があり仏様がいらっしゃるという考え方で、方角は気にしなくてもよいという考え方です。

お仏壇の置く向きに絶対的な決まりはありませんので、上記の考え方を参考に家族で話しあい最適な方角を見つけて下さい。

お仏壇を置く望ましい場所

お仏壇の安置場所について特に定められたことはありません。

かつては、お仏壇を置く場所は家の和室の仏間や床の間など当たり前のようにお仏壇専用の設置スペースがありました。

昨今の住環境の変化によって、新築や改築でも仏間や和室の無い住宅が多くなりましたし、住宅事情を考えますと仏間を設けるのが難しいことがあります。また、マンションなどは初めから仏間は無い場合も多いです。

これから、設置する場所や移動を考えている方は参考になさって下さい。

リビング

今の戸建住宅やマンションもフローリングが多く和室がほとんど無く洋室が多くなります。

その場合はリビングに設置がおすすめです。生活の中心であるリビングは家族が集まりやすく、いつでも手を合わせることが出来て、とても供養しやすい場所です。

特に家具調仏壇を検討なさっている方には適した設置場所の一つです。

和室

仏間や床の間があれば設置場所としては適しています。特に和型(従来型)のお仏壇をお求めになる方には最適の場所です。

床の間は「格式がある場所」「身分の高い人が座る」といった場所でもあります。床の間は丁寧に扱う場所であるからこそお仏壇の設置にも向いています。

寝室

生活スタイルや考え方によっては寝室も設置場所の一つかと思います。 起床時にすぐに手を合わせることが出来ますし、就寝前にはご先祖様に一日の報告をして就寝できますので、良い眠りにつけると思います。

設置場所が見つからない

部屋の一隅や家具の上に設置しても構いません。家具の上に設置する場合は、重さで家具が歪む可能性もありますし、地震対策も必要になりますので注意なさって下さい。

設置に適さない場所

なるべく避けた方が良い場所は、直射日光の当たるところです。直射日光はお仏壇の素材の痛みや劣化につながります。

風通しが悪い場所や湿気の多い場所も素材が痛みやすくなりますので不向きです。そして、仏間や床の間も含め、傾きがある場所はよくありません。

時間の経過でお仏壇が変形する可能性があります。安置する床面が水平であることは大切です。

冷房にしても暖房にしてもエアコンの風がお仏壇に直接当たる場所への設置も不向きな条件になります。

仏事と言うのは決まりがあって無いような、決まりが無くてあるような難しい部分があり迷われることが多いですね。

迷われた時は仏具店でプロのアドバイスを受けることをおすすめします。生活の動線なども考慮しつつ、生活スタイルにあった最適な設置場所を見つけては如何でしょうか。

おすすめの記事