お仏壇 Vol.1

最近、相談を受ける中で多いのが、お仏壇って必要なのですか?いつ購入するのがいいのですか?買い替えたいがいつ買ったらいいのかがわからないなど、お仏壇に関して色々なご相談を受けることがあります。

今回から何回かに分けてお仏壇についてお話させて頂きます。

お仏壇はいつ頃から

古くは奈良時代にさかのぼります。日本に伝存する最も古い歴史書の一つ、「日本書紀」にはこのように書かれています。

「諸国の家毎に仏舎を作りて、すなわち仏像及び経を置き、似って礼拝供養せよ」(天武天皇十四年)とあります。そして、この文章の中の家毎とは公家のことですが、これを機に日本全国へ仏舎を置くことが広がっていきます。

そして一般の家にお仏壇が置かれるようになったのは檀家制度が出来る江戸時代になってからになります。

仏壇は「仏の壇」と書きますが、なぜ仏壇の壇はき木偏(きへん)の檀では無いのか、現代の仏壇は木製で出来ているものがほとんどなのになぜ土偏(つちへん)の壇なのかと思いませんか? 

古くインドでは仏像などをご安置するに、土や石でつくった壇の上にご安置していたと言われており、仏壇の檀が土偏なのはこれに由来すると言われています。それから時がすすむと土製の壇の上に屋根がつきました。これが仏道修行の場となり、寺院の始まりと言われています。

このことから仏壇はお家にある「小さな寺院」と考えることができます。

菩提寺のある家は仏壇に宗派の仏像を祀り、ご先祖様を偲んで手を合わせ、仏に祈りの捧げ手を合わせます。

お仏壇で手を合わせることは、仏教にふれる「はじめの一歩」になります。

お仏壇は必要か?

お仏壇は家庭における信仰の対象で本尊を祀るものですので、菩提寺がある家庭なら礼拝供養を行う意味でも、お仏壇があるのが望ましいと思われます。

近年の多様化で、仏壇は信仰よりもご先祖様や亡くなった故人への供養の意味合いが強くなっています。

そのような傾向から、家に故人が出来た時にお位牌をつくり、祀らなければならいといったことが、お仏壇を購入するきっかけになっています。

菩提寺があっても普段の生活の中で自宅にお仏壇が無いからといって、買いに行こうという気持ちにもならないのも事実かもしれません。

ましてや宗派に属してない家庭では、故人ができた訳でもないのにお仏壇を購入するというのは考えられないかもしれません。

儀式的、形式的としてのお仏壇と言う側面だけでみると、故人ができるまでは必要ないのかなと考えることもできます。

しかし、お仏壇は一家の中心として、また心の拠り処としての役割もあります。

ご家族のどなたかが亡くなった時に仏壇を購入するのでは無く、一家を構えた時などに準備なさるのが良いのではないかと思います。

特別な動機が無くても仏壇を

日々忙しい現代社会において、不安や悩みを抱えながら生きていると、ストレスが溜まるばかりかと思います。苛立つこともあるでしょうし、辛いことも少なからずあると思います。

そんな時、お仏壇の前に座ってみては如何でしょうか。おリンを鳴らして場を清め、心を落ち着かせて見てください。きっと穏やかな気持ちになれることでしょう。

心の拠り処として、お仏壇のある生活は自身に良い影響を与えてくれると思います。

必要なものが無いのに仏具店に足を運ぶのはちょっとと思うかも知れませんが、ショッピングモールの中にも素敵な仏具店がお店を構えています。町の仏壇・仏具専門店とは違って、とっても入りやすく明るい雰囲気のお店になっています。

買うものが無くても、気軽に立ち寄ってみては如何でしょうか。

お仏壇を買い替えるタイミング

お仏壇を買い替えたいがいつがよいでしょうか?と相談を受けることがあります。一般的にはいつ買い替えても大丈夫ですとお答えさせて頂いています。

例えば、ご自宅の新築・住宅のリフォーム・引越し・結婚などは、いい機会だと思います。

ある地域では、お盆の時期やお彼岸の時などに買い替えるものだと教わってきているとおっしゃる方もおられましたので、地域の風習などは大切になさった方が良いでしょう。

買い替えたいが

相談の中でも多いのが、大きいお仏壇をお持ちのお客様から、小さいお仏壇に買い替えたいがどうしたらいいかとの相談です。

詳しく伺うと、住宅事情や生活環境の変化に合わせて買い替えたいけど、勝手に買い替えていいのか?手順があるのか?お仏壇は何を選んだらいいかなど。

まず、購入する前にしっかり家族で相談してから仏具店に行っても遅くはありません。出来るだけ自分勝手に購入を決めないことです。

お店でお気に召した仏壇があれば、お取り置きをしてもらいましょう。

必ずご家族で相談なさってください。どこに設置するのか?どんなお仏壇を買うのかなどが決まったらお店に行って設置場所や、納める時期などの詳細を打合せしながら購入なさるのが良いでしょう。

菩提寺のある方は、菩提寺にお仏壇を買い替えることをお話して頂いて寺院のご指示を仰ぎましょう。一般的には現在使用しているお仏壇の「魂抜き」をしなければなりません。

今あるお仏壇を処分なさるのですから、礼拝対象である「仏さま」を物質に還元することが必要になります。

寺院様によってもやり方が違いますので、勝手に解釈なさらずに寺院様の指示を仰ぎましょう。寺院様のご指示をお店の専門スタッフに伝えればスムーズに買い替えが出来ます。

考えていらっしゃる方は一度お店で相談なさってみると良いでしょう。

次回はお仏壇のお供え・置き方、どんな仏壇を選ぶのがいいかなど含めて、お話させて頂きたいと思います。

お仏壇のある生活でストレスフリーな時間を過ごすのは如何でしょうか。

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