日本各地には、その土地ごとに伝わる伝説や民話があります。伝説や民話は、親から子へ、子から孫へと伝えられ郷土愛を育みます。
宮城県宮城郡利府町では、子育て中のお母さんたちが語り継がれてきた伝説を次世代に伝えるために絵本を自主製作しました。利府町の郷土愛を育む絵本「平田五郎」をご紹介します。
平田五郎はどんなお話?
むかしむかし、利府のあるところに2メートルもある大男 平田五郎(ひらたごろう)が住んでいました。ある日、五郎はひょんなことから、キツネたちが大事にしている光る玉を手に入れます。しばらくすると、五郎のもとに美しい女が訪れ、「玉を返してください。返してくれたら力持ちにして上げます。」と泣きながら訴えました。 玉を返した五郎は、「えんきょうの碑」を藁束のように軽々と持ち上げるほどの力持ちになり、戦で活躍する武将となりました。
平田五郎は実在の人物だった!
利府町に語り継がれる伝説の力持ち平田五郎は実在した人物です。平田氏は源頼朝の家臣梶原景時を先祖とする家柄でした。五郎は身の丈7尺余り(約2メートル)の武将で伊達政宗の家臣でした。政宗は豊臣秀吉の反逆に加担したと疑いをかけられたことがありました。柱を片手で持ち上げる五郎の力持ちぶりが、秀吉の耳に入り、「政宗佳士を得たり」と疑いが晴れたと伝えられています。また、五郎が藁束のように軽々と持ち上げた「延慶の碑(えんきょうのひ)」は利府町神谷沢に現存しています。
郷土愛を育む絵本
戦国時代に実在した力持ちの伝説が魅力的に描かれた絵本「平田五郎」は、子育て中のお母さんたちが活動する絵本の読み聞かせサークル「りふdeおは梨」さんの自主製作絵本です。利府町では、語りべの高齢化や核家族化、地域コミュニティの希薄化などにより、民話の伝承が途切れてしまうのではないかと危惧されていましたが、民話を伝え続け郷土愛を育みたいと、お母さんたちは民話を足で調べ絵本を作り上げました。
サークル代表の西方さんは絵本について 「絵本をとおし利府町の民話を伝え、利府町に興味を持ってもらい活性化につながれば嬉しいです」とお話くださいました。
お母さんたちの郷土と未来への想いがつまった絵本「平田五郎」に関するお問い合わせ先
メールアドレス rifu.de.ohanashi@gmail.com