
残念なことに冬場は入浴中の高齢者の死亡事故が多発します。そこで今回はヒートショックについてお話ししたいと思います。
ヒートショックとは
温かい場所から寒い場所へ移動すると『急激な温度変化により急激に血圧が上下することで、心筋梗塞や不整脈・脳梗塞などの発作を起こすこと』です。
自宅内では暖房の効いたリビングから移動した先の廊下やトイレ、お風呂で頻発します。
11月から3月の寒い時期に多く発生していることから、冬場はヒートショックによる事例が多く含まれていると考えられます。 医学専門用語では有りませんが、上記の現象を示す医療用語として使用されます。
ヒートショックの症状とは
めまい 立ちくらみ 失神 心筋梗塞 不整脈 脳梗塞 などが有ります。
ヒートショックを起こしやしやすい人とは?

- 65歳以上の高齢者の方(特に75歳以上の方)
- 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)の薬を飲まれている方
- 狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞・不整脈・高血圧・糖尿病などの病歴がある方
- 飲酒直後に入浴する・食事直後に入浴する・薬を飲んだ直後に入浴する
- 一番風呂・深夜に入浴・熱い湯(42度以上)に首まで長くつかるなどの習慣がある方
- 浴室・脱衣所・トイレに暖房設備がなく、浴室がタイル張りで窓があり居間と浴室、トイレが離れているなどの居住空間の家にお住まいの方など
浴室や脱衣所でのヒートショックを起こさないための予防法とは?
- 入浴直後にコップ1杯程度の水分を摂る
- 浴槽から急に立ち上がらないようにする
- 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
- 体調不良の時はサウナや入浴を避ける
- 入浴する前に同居者に一声かけて意識してもらう
- 栄養バランスに気をつける
- 一人暮らしの場合は外部と連絡がすぐ取れるよう携帯電話を近くに置いて おく
ヒートショックが起きた時の対処法とは?

自分で行う対処法
- 入浴中に目まいを感じても急に立ち上がらないこと
- 浴槽内で溺れるリスクを少しでも下げるため、クラッとしたと思ったら、 意識のあるうちにお湯を抜いておく
倒れた人を見つけた時の対処法とは?
- 浴槽の栓を抜き、大声で助けを呼んで人を集める
- 入浴者を浴槽から出せるようであれば救出する
- 出せないようであれば、浴槽のふたに上半身を乗せるなどして沈まないようにする
- 救急車を呼ぶ。救急車到着までの間、肩をたたきながら声をかけ反応が あるかどうかを確認する
- 反応がない場合は呼吸を確認する
- 呼吸がない場合、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を開始する
- 胸骨圧迫は30回 人工呼吸2回を繰り返すこと
- できない場合は胸骨圧迫のみ続ける
まとめ
ヒートショックは急激な温度差による血圧の変化によって生じます。夏場でも気温差によって生じる可能性がある他、サウナなどで起きることも有ります。
高齢者や高血圧などの生活習慣病のある人はヒートショックのリスクが高いので注意が必要ですが、予防することはは可能です。
寒い冬は安全につとめながら入浴を楽しみたいものですね!
(参考資料 消費者庁 ライフル介護)