終活には生きざまが表れる

ご葬儀にはその人の生き様が表れるといわれています。終活も同様にその人の生き様が表れます。生き様とは「なにを伝えるために生まれてきたのか」の答えなのではないでしょうか?

金子哲雄さんの終活

2012年流通ジャーナリストの金子哲雄さんは、自身の葬儀の全てをプロデュースしこの世を去りました。

金子哲雄さんは、独特な口調で解説する賢いお金の使い方と親しみやすいキャラクターを持ち味にテレビ番組に出演。レギュラー番組を4本持ち、ますますの活躍が期待された2011年、希少がん 肺カルチノイドと診断されました。

金子さんは病床に臥しながら葬儀社と何度も打合せを行い、通夜振るまいや会葬礼状の内容にいたるまで葬儀の全てを取り決めました。
金子さんがプロデュースしたご葬儀は、主張であった「賢い買い物は人生を豊かにする」にふさわしいご葬儀だったそうです。

近年、金子さんのように自ら葬儀のプロデュースを望まれる方からのご相談は増加の傾向にあります。

佐藤様の終活

終活カウンセラーの私サラダが、終活プラザで実際にお世話させていただいた佐藤様(仮名)の終活をご紹介いたします。

ご葬儀、お墓の相談で佐藤様ご夫妻はご来店されました。相談に積極的な佐藤様と物静かな奥様。お席につくなり堰を切ったようにお話になる佐藤様。矢継ぎ早のお話を整理すると、心配事を3つお持ちなのが分かりました。

・納得のできる葬儀をしたいが知識がなく不安だ。
・菩提寺がないのでどうしたらいいのか見当がつかない。
・数年前から後継者がいない夫婦が入れるお墓を探しているがなかなか見つからない。

時間がかかりそうな相談内容だったため「お時間はありますか?」とお尋ねすると、奥様がきっぱりと「私たちには時間はないの」とお答えになりました。凛とした瞳には悲しみを受け止めた覚悟が浮かんでいました。 「覚悟の終活」に臨むおふたりを前に正直震えました。私は、「覚悟」に「本気」のお世話をすると腹を括りました。

覚悟と本気の終活相談

1回目のご相談

私が先ずご提案したのはお墓選びです。おふたりの終の棲家となる場所選びですから慎重になります。お寺が管理するお墓の場合、ご住職との相性も大切になります。お墓を数ヶ所ご紹介させていただき1回目の相談は終わりました。

2回目のご相談

2回目の相談は1週間後に行いました。この間にご夫妻はご紹介したお墓を見学されていました。

2回目は、葬儀の知識を学んでいただきながらのプランニング。葬儀は滅多にないことです。分からないのが当たり前です。葬儀の流れなど不安を伺いながら、佐藤様がご納得できる葬儀をご提案いたしました。

3回目のご相談

3回目の相談では、佐藤様が見落とされていた相続相談と亡き後のお話、お墓担当のスタッフと打合せをしていただきました。

佐藤様は、夫婦ふたりだから相続相談は必要ないと思われていましたが、私はどうしても佐藤様には相続と亡き後の奥様を考えていただきたかったのです。

お話の端々から伝わる「妻と一緒にいたい」「ひとりにしてこの世を去るのは辛い。でも、なんとか支えたい。」言葉にはできない想いにお応えしたいと、佐藤様亡き後、奥様を守る方法のひとつとして法律の力を借りるご提案をいたしました。

お墓の打合せも終わった帰り際、佐藤様がこれまでにないほっとしたやさしいお顔で「こんなに親身に話を聴いてもらえるなんて思わなかった」とおっしゃいました。

この言葉は佐藤様から頂いた最期の言葉となりました。

一カ月後、佐藤様のご葬儀が弊社の会館で執り行われました。

ご焼香をする私のそばで、ご親族が「葬儀とその後のことまで全部決めていたんだって。口にはしなかったけど、やっぱり奥さん想いの人だったね」とお話されていました。

さて、今回行った二人の終活はいかがだったでしょうか。皆さまもそろそろ終活が気になりだしたら「終活プラザ」にお立ち寄りください。
あなたが言葉にできない伝えたいことをお聴かせくださいね。

 

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