気が付けば、通い続けて10年が経っていました。
派手な観光地でもないのに、なぜかハマる山形県の小さな温泉街「肘折温泉」をシリーズでご案内!
4月OAされた、テレビ朝日系列「相席食堂ゴールデン」の第3弾!“一度は訪れたい美しい日本の田舎SP”でもご覧になられた方も多くいらっしゃったのではと思います。 今回は、肘折温泉の概要や初夏の愉しみ方についてご紹介いたします。
1|東北のへそ 肘折~ひじおり~温泉
開湯は平安時代807年、今から1,200年前とされています。山岳信仰の地 出羽三山 月山登山道の麓、1万年前にできた大きなカルデラの中にポツンとある小さな 小さな行き止まり温泉、それが肘折温泉郷です。肘折温泉郷は、湯治場として栄えてきた肘折温泉と黄金(こがね)温泉、石抱温泉(野湯/要予約)3つの地域に分かれ、かつては鉱山もあった場所。大地の恵みをたっぷりと含んだ良質な温泉が今もなお各所から湧出しています。日本で最も美しい村連合や日本の棚田100選に認定、環境省の国民保養温泉地として指定されるなど、景観・泉質ともに魅力のある地域です。
2|懐かしい昭和の香り漂う湯治場文化
大小20あるお宿の大半は、明治・大正・昭和の古き良き時代の風情漂う木造建築。かわいらしいタイルで飾られた流し台、あめ色に輝く階段や手すり、木の軋みが心地よい廊下、コインガスを用いた自炊場やふすま続きの湯治部屋… 古き良き時代の面影が色濃く残っています。勿論、エレベーター付やベッド付のお部屋などステイスタイルで選べるお宿もあるので、肘折温泉の公式サイト湯の里肘折温泉からお宿を見て回ってくださいね。エアー旅でも、ワクワクする・個性のあるお宿がいっぱいです♪
雪解けの季節からは、湯治客の胃袋を満たす肘折温泉名物 朝市が毎日開かれます。スタートは、毎朝6時から。地元のお母さん方が採れたての旬食材や炊き立てのおこわを持ち込み、温泉街のメインストリートの端から端までを占拠。「おっはようごじゃいまっすぅ~。今日はOOがとぉれてるよぉ~」と朝のご挨拶いただきながら、春は山菜、夏は野菜、秋はキノコ、採れたての山の幸を豊富に、且つ驚くほどリーズナブルに手にすることができます。勿論お宿のご飯も旬の山菜などを使ってますので、朝市で並ぶものも同じ食材が並びます。おかみさんに食べた山菜の作り方を伺って、自宅で肘折回想するのも一興ですね。
3|湯の由来と泉質
肘折温泉の由来は諸説ありますが、その昔、老いた僧侶が肘を折り湯に浸かった(公共浴場 上の湯)ところ直ぐに傷が癒え、この素晴らしい泉質と効能をその地の老人に世に伝え守り続けるよう言い渡したそう。 平安・江戸…そして令和と、湯の里として県内外温泉ファンの方々に根強い人気を誇っています。
肘折の源泉は、共同源泉・個人源泉を合わせなんと21本。お宿では共同源泉をそれぞれブレンドしていたり自家源泉を引いていたり、笹濁り・鉄色・無色透明などお宿ごとに異なった色や泉質、趣向を凝らしたお風呂をかけ流しで堪能することができます。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉/低張性中性高温泉。溶け込んでいる成分が多く年4~6回、配管スケール(温泉成分の塊)を掃除しないと大変なことになってしまうそう。セラミドと結びつくといわれているメタケイ酸も多く、炭酸泉のさっぱり感を塩化物泉のしっとり感で補う、まさに理想の美肌の湯といえるでしょう。浴用の適応症は、あたたまりの湯ならではの血行促進効果・慢性婦人病や関節のうちみ・くじき・こわばりなどにも期待されます。
今年一部改装を終えて4月下旬より入浴ができるようになった、黄金温泉カルデラ温泉館(日帰り入浴)の泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉と冷泉として提供される単純二酸化炭素冷泉の二つの源泉。夏はさっぱりと入浴することができ、炭酸濃度が肘折に比べ濃いようで肌に纏う気泡も幾分多いかな?という感じです。ただ、炭酸冷泉は飲用・かけ湯(といっても冷たい)での提供になるので浴用ではないようです。肘折温泉(大友屋旅館さん)・黄金温泉(カルデラ温泉館)では、飲泉することも可能。大友屋さんの出汁感強め&鉄分の味わいや、カルデラ温泉館さんの微発泡でちょっと舌にキンとくる味わいを飲み比べてみるのも新鮮なアクティビティになるでしょう。肘折温泉郷は、肌、そして身体の中から温泉効果を感じることができる、一石二鳥・一粒で二度おいしい温泉郷なのです。
4|初夏の過ごし方
春の名残がある、初夏の肘折では様々なアクティビティを体験できるようになります。ガイド付きの人力車(要予約)で街を巡ったり、約600年前に開創されたという霊場 地蔵蔵(じぞうぐら)へ出向いてみたり、渓流釣り、日本棚田百選にも選出された四ヶ村の棚田など見どころやアクティビティも満載。7月からは、夏の夜の温泉街を優しく美しく照らし出すひじおりの灯や夜市なども開催(予定)され、季節の限定イベントが盛りだくさんです。公式サイト 灯籠絵展会「ひじおりの灯」では過去の展示アーカイブもご覧になれますので、ぜひご覧ください。 他にも通年行われているアクティビティが様々ありますので、気になる方はこちらも要チェックです。
5|まとめ
宿での立ち寄り湯も可能で、公共浴場も(上の湯・いでゆ館・カルデラ温泉館)3か所。湯舟に満たされる温泉は、どのお宿もかけ流し。立ち寄り湯で利用できる湯めぐり入浴券(1,100円/3回入浴+お楽しみ券)も発行しているので、まずは日帰りでいろいろなお風呂巡りをしながら泉質の違いを楽しんでみてはいかがでしょう。
次回は、宿泊やそのほかのお楽しみのご案内を… と思っています。
※参照リンクは、Wikipedia、大蔵村役場、大蔵村観光協会、湯の里肘折温泉、環境省国民温泉保養地を参照しています
※入浴禁忌・浴用飲用の周囲事項に関しては、利用施設・各宿泊施設公式サイト等にてご確認ください
※お宿での立ち寄り入浴は、時節状況を鑑みながらの案内となります。清掃時・混雑時など入浴できない場合もあります。
※カルデラ温泉館の飲泉は、入浴利用時にかぎり可能です。
肘折温泉観光案内所(肘折温泉 肘折いでゆ館内)
住所:山形県最上郡大蔵村南山451−2
電話番号:0233-34-6106
営業時間:10:00〜17:00
※5|まとめ の大蔵村観光協会・湯の里肘折温泉サイトをご確認ください
※5|まとめ の大蔵村観光協会・湯の里肘折温泉サイトをご確認ください
肘折温泉へは、山形自動車道舟形ICから車で約30分。地図検索サイトですと通行止めの道路など誘導される場合もありますのでお気を付けください。