葬儀の役割とは Vol.4 ~心理的役割について~

葬儀とは「葬送儀礼」の略であり、臨終から死後の喪に至るまでの死別に出逢った人が営む「悲しみ」、「葬り」、「悼み」の儀礼です。

お葬式の役割としては4つの役割があるとされています。

前回までの「社会的役割」「物理的役割」「宗教的役割」に続き、最後の「心理的役割」についてお話しいたします。

心理的役割

人の死は遺族や親しかった方々へ悲しみ、苦しみを与えます。死という現実を受け入れられず苦悩する中にあっても、通夜・葬儀・告別式など長い葬送儀礼をおこなう過程で死というものを少しずつ受け入れていく役割があります。

手を合わせる、花を手向ける、思い出話をするなど、自然と湧き上がってくる心のままに悲しみを癒す行為を経ることで気持ちを整理し、故人との別れを実感していくのです。

葬儀は故人の為だけでなく、これからも生きていく遺族の為に行うものでもあります。

お葬式のあり方

お葬式のかたちは時代とともに変化してきました。最近は宗教儀式を行わない火葬式や近親者のみで執り行う家族葬も増えています。形式にとらわれずとも祈りを捧げる気持ちさえあれば、それ自体は悪いことではありません。ただ、太古より現在に至るまで、世界中でお葬式の習慣がなくならないのはなぜでしょうか。時間、労力、お金をかけて行う葬儀は一見、非合理的なものと目に映る方もいるかもしれません。ですが、その過程こそが重要であり、その後自然な流れで供養を続けていくことでさらなる心のケアに繋がるのです。

葬儀とは4つの重要な役割を担っており、人々の心を支え続けてきた大切な儀式であることを忘れないでいただきたいと思います。

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