喪中と忌中の違いとは?

10月、11月になるとよく目にするのが「喪中」という文字ですね。これは訃報があって年賀状を控える時に「喪中はがき」を出す時期になるからです。
この喪中とはいったいいつからいつまでなのでしょうか?
さらに、似た言葉で忌中とはいつからいつまでなのか、その違いについて書いてみます。

喪中と忌中の期間は?

忌中の期間は、仏式ですと亡くなってから四十九日までの時期を指します。神式では五十日祭、キリスト教であれば一カ月後の召天記念日または五十日祭までとされるのが一般的です。具体的に仏式で言いますと、亡くなった日を1日目と数えますので、例えば1月1日に亡くなったとしたら、2月18日まで「忌中」で、それ以降は「忌明け」となります。

喪中とは、ご家族の方が亡くなった日(命日)から1年間を指します。今年の6月に亡くなったとすれば、来年の6月の命日まで喪中です。

忌中とはどういうこと?喪中とはどういうこと?

忌中

仏教では、死後四十九日間の旅を経て、生まれ変わる世界が決まると考えられています。この期間、七日ごとに審判が下されるわけですが、その期間はまだこの世でもあの世でもないところにいるわけであり、どこに行くのか決まるまでは「穢れたもの」であるとされていました。そしてこれは伝染し次の死者を出すとされていたため、ご遺族は外出せずに家の中に留まり、穢れを伝染させないようにしたといわれております。現在では、この意味あいは薄れましたが、慶事や神社へのお参りなどは控えた方がよいとされております。

喪中

身近な人の死を悼む期間です。近親者が亡くなると、残されたご家族は喪中に入ります。しかし、ご自身が該当者なのか? 悩まれる場合もあるかと思います。喪中の範囲は「故人の2親等まで」が一般的な考え。しかしながら、それ以外の方が喪に服してはいけないわけではありません。故人との縁が深い方であれば親等に関係なく喪に服してかまいません。

忌中と喪中に控えた方がよいこと

忌中になるべく控えること

  • 安産祈願やお宮参り、七五三、成人式など、神社へのお参り
  • 結婚式
  • 新年のお祝い(新年のお飾り、年賀状など)

神式では、忌中は故人の穢れがあるとしています。穢れは気枯れともいわれ、親族を失って気力をなくしている状態をさすともいわれます。
その気枯れを持ち込まないようにするため、神社へのお参りを控えます。
忌中が明ければ、ご祈願やお参りをしても差し支えありません。仏式では、本来そのような考え方をしないため、忌中のお参りは問題ありませんが、気になる方は控えた方がよいでしょう。

喪中に控えること

  • 結婚式(可能な範囲で)
  • 新年のお祝い(新年のお飾り、年賀状など)

身内の結婚式を忌中に挙げるのは差し控える場合が多いですが、喪中では結婚式場の予約の関係やお相手の都合もあり、両家の話し合いを経て、予定どおり挙げることもあるようです。
お正月に向けてのさまざまな準備の中でも、新年を祝うお正月のお飾りは控えましょう。
年賀状の代わりに喪中ハガキで新年のご挨拶を欠く旨をお知らせします。
一般的に年賀状の準備が始まる12月上旬までに、こちらから喪中はがきを出すのが礼儀です。

「喪中」と「忌中」、なんとなくわかってはいても、違いがよくわからない方も多いのではないでしょうか。それぞれに意味や過ごし方が異なりますが、どちらも残された家族が大切な人を失った悲しみと向き合い、これまで通りの生活を取り戻すために必要な時間だと言えるのではないでしょうか。

控えることなども記載しましたが、伝統を守りつつも、柔軟な対応で故人を偲んでいただきたいと思います。

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