玉串奉奠(たまぐしほうてん)ってなに?

「焼香」や「献花」のマナーについて書いてきましたが、神式の儀式の時には「玉串奉奠」を行います。仏式のお葬式が多い日本では、玉串奉奠を行う機会も少ないので、作法やマナーについてよくわからない方も多いのではないでしょうか。ここではその「玉串奉奠」について書いてみます。

玉串とは?

玉串(たまぐし)とは、神様が宿るといわれているの木の枝に、紙垂(しで)や木綿(ゆう)を麻で結んで下げたものをいいます。

玉串の意味ですが、神社本庁のサイトから引用すると、 「玉串は神前にお供えするものとして、米・酒・魚・野菜・果物・塩・水等の神饌と同様の意味があると考えられています。しかし、神饌と異なる点は、玉串拝礼という形で自らの気持ちをこめて供え、お参りをするということです。勿論、神饌も注意して選び、心をこめてお供えをしますが、玉串は祭典の中で捧げて拝礼することから、格別な意味を有するものであることが分かります」と記載されております。

玉串奉奠の作法とは?

玉串奉奠するシチュエーションはいくつかあります。結婚式、お宮参り、七五三、地鎮祭などですが、ここでは通夜や葬儀での玉串奉奠の作法についてお教えいたします。

玉串を受け取る

喪主、ご遺族に一礼して、神職の方へ進みここでまた一礼して、神職から玉串を両手で受け取ります。右手で玉串の根本を上から持ち、左手で葉先を下から持ちます。右手でしっかりと根本を持ち、左手は神職が持っている場所よりも枝の先端に近い方から受け取り、手を添えます。

玉串を胸の高さで葉先が少し高くなるようにやや斜めに持ち、神前の玉串案と呼ばれる玉串を置く台の前まで進んで一礼します。

玉串に祈念する

玉串を時計回りに90度回転させて縦にし、左手で玉串の枝(根本)を持って右手は葉の下に添えます。軽く目を閉じて、故人に対する感謝や哀悼の意を込めます。(2~3秒程度)

玉串を玉串案(玉串を置く台)に置く

玉串の枝(根本)が手前に来るように玉串を時計回りに180度回転させます。

玉串の枝(根本)を祭壇に向け、両手で玉串案に置き玉串を故人に捧げます。

二礼二拍手一礼

玉串を置いたら、祭壇の方を向いたまま、深く二回礼をします。次に二回しのび手を打ち、(しのび手とは、音をたてないように打つ拍手のことです)最後に深く一礼します。身体の向きを変えて、神職とご遺族に会釈をしてから自分の席に戻ります。

神葬祭での玉串奉奠ではしのび手といって、音を立てないで柏手を打ちます。他の結婚式や七五三といった慶事では音を立てるいわゆる柏手を打ちますので、そこに大きな違いがございます。仏式が多い日本のお葬式でありますが、弔問してみて神葬祭でのお葬式だったといった時に、慌てないよう玉串奉奠の作法を覚えておきましょう。

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