過去帳はご先祖様の戒名や俗名ご命日などを記す記録帳のことです。
主に浄土真宗では使用しますので、他宗派の方には初めて耳にする方もいらっしゃるかも知れません。
過去帳は記録帳という側面が強いのですが、作成されることで先祖から子孫へ続く血縁の流れがいつでも確認が出来ます。お位牌も作成しないという方がいる時代、これからは過去帳のような存在に注目があたってもおかしくありません。
今回は過去帳についてお話させて頂きます。
過去帳の歴史
始まりは江戸時代までさかのぼります。
当時、幕府がキリスト教を排除する目的で制定したのが「寺受制度」です。寺院を経済的にも支援する目的もありました。
そして、庶民は信仰の有無にかかわらず、家単位で強制的にお寺の檀家になることが義務付けられます。これが「檀家制度」の始まりになります。
そして、それまで寺院用として使われてきた過去帳が、庶民の家にも過去帳を置くようになったと言われています。
過去帳は何を書くものか?
故人の戒名や、没年月日、没年齢などを書きます。
本位牌や回出位牌の(札位牌)に記載されている内容を移すことが多いのですが、
中には続柄を記載する場合もあります。
続柄が記載してあることで、後の世代にも血縁のルーツわかりやすい利点もあります。 既に過去帳をお持ちの方はご先祖様の書き方に合わせて記入されるとようでしょう。
過去帳の準備はいつ
宗派にもよりますが一般的は三十三回忌法要や五十回忌法要のタイミングで作成します。
ご先祖様のお位牌を受け継いでいくと、お仏壇の中にお位牌を置く場所がなくなってしまします。このような時は、お位牌を過去帳にしたいと菩提寺にご相談されては如何でしょうか。
また回出位牌という札が数枚入った位牌があります。今ある本位牌を札に書き移すことで、数本のお位牌を一つのお位牌にまとめることができますので、過去帳作成の前に検討されると良いでしょう。
過去帳の作成に関しては、宗派のある方は菩提寺の指示を仰いでほしいのですが、宗派の無い方は特に決まりはありませんので、三十三回忌を迎えた仏様は回出位牌に書き写し、五十回忌で過去帳に書き写すのが丁寧なやり方と覚えておくと良いでしょう。
新しくしていいのか
元々お持ちの過去帳が古くなり痛んでいるので新調したい場合は新らくして構いませんが、菩提寺のある方はお住職に伺ってから支持のもとに作成するのがよいでしょう。
浄土真宗の多くは、亡くなるとすぐに極楽浄土に行き仏になると考えられているため、位牌は作らない場合がほとんどです。四十九日まで過去帳と法名軸を用意して法要を行います。
どこに依頼する
過去帳は仏具店で購入できます。
文字入れに関しては仏具店に依頼されても良いでしょうし、菩提寺に依頼する方法もあります。菩提寺に依頼する場合は記入して頂けるか寺院に確認しましょう。記入して頂ける場合はお礼のお布施をお渡しするのが一般的です。
仏具店に依頼する場合、過去帳本体には文字入れ代金が含まれていないことが殆どです。文字入れ代金は記入する人数によっても変わってきます。
先祖から子孫へとお位牌やお仏壇、お墓を守っていくことが難しい時代になってきました。過去帳は今までの記録帳としての役割だけでなく、世代を繋ぐ大切ものになっていくのかもしれません。
お仏壇・お墓のごんきや各店でも過去帳や文字入れの取り扱いしております。ぜひお問合せください。
次回は過去帳の種類や役割についてお話させて頂きます。