お仏壇 Vol.2

私は、お仏壇や仏具、仏事やお墓についてお話しをさせていただくために、お客様のご自宅へ訪問する機会も多く、お邪魔した際にお部屋のお仏壇を拝見させて頂くことや、お線香をあげさせてもらうことも多々あります。

お仏壇の中はご家庭によって祀り方や配置などは様々です。

そこで、仏具が足りないと感じることや、仏具の配置などに疑問を持った時は、少しお話しを聞かせてもらうことがあります。

お客様に伺ってみると、気が付いたら仏具が紛失していたケースもありますし、仏具が足りないことに気が付いていない場合もあります。

お掃除したら置き方がわからなくなり今の配置になった。祖母が守っていたのでよくわからないとおっしゃる方もいます。

現状の理由は様々ですが、どのご家庭のお仏壇にも共通して言えることは、皆様の供養の気持ちが形となって様々な品がお供えされていることです。形見の品やミニ骨壺、故人の好みであったお菓子など、故人への想いやご先祖様への願いが伝わってきます。

そして、お話しを聞かせて頂きながら、必要な仏具が足りないことをお伝えすることもありますし、仏具の配置を変える提案をさせてもらうこともあります。

お仏壇は供養の中心でもありますので、出来るだけきちんとしておくのが良いと思います。

今回は自宅にあるお仏壇の仏具の配置やお供え方についてもお話しさせて頂きますので参考になさってください。

お仏壇の種類

現在、お仏壇は大きくわけて2種類にわかれます。

まず、従来型の唐木仏壇です。和型と言われるお仏壇で、黒檀・紫檀・欅などの素材で造られたものから、漆塗りの金仏壇などがあります。

そして、家具調仏壇です。現代仏壇やモダン仏壇と言われ、今の住環境に合わせたコンパクトでデザイン性にすぐれたお仏壇です。

お仏壇のサイズやデザインによっても、内部の構造が違いますので収まる仏具も変わってきますし、宗派によっても飾り方は変わります。事前に寺院に確認するか仏具店で宗派や菩提寺を伝えると安心して飾り方や必要な仏具を揃えることができます。

一般的な飾り方

浄土真宗以外の宗派でごく一般的な飾り方のお話しをさせていただきます。

最低限必要で揃えたい仏具は、ご本尊、脇掛、お位牌、仏器(仏飯器)・湯呑、高月、三具足(みつぐそく)(または五具足)とおリンです。

三具足(みつぐそく)とは花立・香炉・火立(ローソク立て)の3つの仏具のことで、この三具足がお供えで使用する仏具の基本になります。

まず仏壇の一番上の段の真ん中にご本尊、両脇に宗派の掛軸を祀ります。
二段目はお位牌です。
三段目は仏器(仏飯器)や花立(常花)を飾ります。
四段目の中心に湯呑、両サイドに高月を配置します。

仏壇の前引きや経机に、香炉・火立(ローソク立て)・おリンを配置します。

これが基本的な設置例になりますが、お仏壇のサイズによっては三段までしか無いお仏壇も多くありますし、コンパクトサイズのお仏壇ですと最低限の仏具ですら置けない可能性が出てきますので、置き方には工夫が必要になるかもしれません。

寺院様がご自宅でおつとめをなさる時、火立(ローソク立て)は対であるのが望ましいです。

寺院様によっても飾り方や必要な仏具、省略できる仏具も変わってきます。

宗派に属しない方はお仏壇にご本尊を祀る必要はありません。その場合は一番大切なのがお位牌になりますので、一番高い真ん中の位置にお位牌を祀ります。

お位牌がなければ、故人への想いを形にして自由な飾り方で構いません。

今回は図解での解説では無いので、わかりにくいと感じたり、自宅の仏具の配置が正しいか不安な方は、仏壇の中をスマートフォンなどで撮っておき、仏具店で確認なさってみては如何でしょうか?

正しい仏具の配置や、必要な仏具が何かを丁寧にアドバイスしてくれます。

お供え(おつとめ)

宗派に属している方にとっては、毎日のおつとめは宗教的行為です。

宗派に属してなくてもご先祖供養や故人の供養という意味で、おつとめをなさることは大変よいことです。生前でのこの行為は多くの徳を積むことが出来、あの世でも極楽浄土へ行けると言われています。

まず、仏壇の扉を開けて一日の始まりです。地域によって違いますが、私の住んでいる地方ではお仏壇の扉は常に開けています。夜に扉を閉めてお休みなさる地域の方は朝に扉を開けます。

おつとめの基本

お茶・お水をお供えします。
花立の水をかえ、花を飾ります。出来れば生花が良いのですが、色々な事情で用意できないこともあるでしょう。

仏壇の中に常花(真鍮やアルミで出来たお花)と言う仏具が備わっている場合は、それで代用なさっても構いません。

そして、ご飯をお供えして、お灯明・ローソクに火を灯し、お線香をあげて合掌・礼拝をします。

宗派のある方はお経が読めればさらに良いです。
これらの供養を五種供養または六種供養といいます。

少し早起きをして、おつとめをすることで生活習慣の改善にもつながるのではないでしょうか?

次回はお仏壇を安置する方位や安置する場所、お仏壇を準備したらどうするか?など、また今回お伝え出来なかったお仏壇の選び方などについてお話しさせて頂きたいと思います。

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