親に終活をしてもらうために知っておきたいこと

終活カウンセラーのサラダです。終活プラザではお客様から「親に終活をして欲しいが上手くいかない」というお話を伺います。子ども世代は思いやりのつもりで終活をすすめても、親世代には受け入れがたい申し出のように感じることもあるようです。今回は親御さんに終活をしてもらうためのヒントをお伝えします。

母にエンディングノートを渡したら返ってきた答えは予想外だった

実際にあった50代女性からのご相談をご紹介いたします。

70代の母に終活をしてもらいたいと思い、エンディングノートを渡しました。でも、「まだ元気だからいらない」と突き返されました。後日、父から聞いた話だと、母は少し悲しげに「突然、死に支度をしろといわれた」と話していたそうです。いつまでも母らしく元気に過ごして欲しいですし、介護や葬儀の希望を事前に聞いておきたかっただけなのですが。母との関係がギクシャクするのが嫌でそれっきりになっています。どうしたらいいでしょうか?

このご相談のように、親に終活をしてほしいと思う子ども世代からのご相談は少なくありません。親御さんの要望を最期まで叶えてあげたい気持ちを上手に伝え、終活に取り組んでもらうにはどうしたらいいのでしょうか。

親に終活してもらうためには、ちょうどよい親子の距離感が大切です

終活は「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きるための前向きな活動」です。しかし、終活を死に支度と思ったり、介護や葬儀の話は不謹慎で縁起が悪いと考えたりして、終活を避けたいと考える方はまだまだ少なくありません。終活が広まったのはここ10年足らずですから致し方のないことかもしれません。もしかしたら、お母様は終活に対してマイナスのイメージをお持ちなのかもしれません。

さらに、ご相談の内容を詳しく伺うと、ご相談者様の願いはお母さまがいつまでも自分らしく過ごすことだと分かります。その願いを実現させる方法として終活を選び、エンディングノートを渡したが誤解が生じてしまった。また、お母様との関係がギクシャクするのが嫌だということは、親子の距離が微妙なのではないかと察することができます。

お母様にエンディングノートを書くことを無理強いするよりも、親子の距離感をちょうどよくして、お母様にいつまでも元気で健やかに過ごしてもらいたいと伝えることがこの相談の解決の糸口になるのではないでしょうか。

会話で親子の距離感をちょうどよく

終活は縁起が悪いと捉えている親世代に、終活は前向きな活動だと理解してもらうのは時間がかかるものです。終活を理解してもらうよりも、お母様に元気で健やかに過ごしてもらいたい気持ちが伝わるちょうどよい親子の距離感をつくりましょう。

ちょうどよい親子の距離感はなにげない会話でつくられるものです。
親子とはいえ知らないことは思いのほか多いもの。「好きな食べ物は?」とか「夢中になっていることは?」などのちいさな質問からはじめて、「今、一番やりたいことは何?」とか「今、行きたいところある?」など親御さんの今の希望を聞いて一緒に叶えてみてはいかがでしょうか?何気ない会話をきっかけに一緒の時間が増えると、親子の距離がちょうどよくなり、少しずつ介護や葬儀について話をしやすくなることでしょう。

終活という言葉を知り、お母様の将来を案じて、何かをしてあげたいと思う気持ちは尊いものです。その気持ちを伝える方法はひとつではありません。最適な方法で健やかにお過ごしください。

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