お葬式に参列する際に準備するものの一つにお香典があります。この時に「いくら包めばいいの?」「表書きや内袋にはなんて書けばいいの?」など不安ですよね。
実際、表書きには宗旨宗派により決まりがあります。包む金額に決まりはありませんが、相場があり、包み方や渡し方には作法があります。ここでは香典にまつわるマナーをお伝えしていきます。
香典の由来と意味は?
香典とは、現金を不祝儀用の水引を結んだ袋(香典袋)に包んだものです。霊前に供えるお香やお花の代わりという意味合いがあり、日本に古くからある習慣で、昔は香奠(こうでん)と書いていました。「香」の字が用いられるのは、香・線香の代わりに供えるという意味であり、「典=奠(てん・でん)」とは霊前に供えるお供え物を意味しています。また、遺族の急な不幸への弔慰金という意味も持っています。
通夜や葬儀に現金を包んだ香典を持参するスタイルは、戦後に確立されたといわれています。かつて、日本では葬儀に多くの費用がかかるため、遺族の代わりに近所の住民が食べ物や飲み物を振る舞っていました。この「相互扶助」の考えが、戦後からは現金を渡すという形に変わったといわれています。
相場の金額はどのくらいなの?
故人との関係や年齢によって香典の金額はかわります。下図にまとめたものがありますので参考になさって下さい。
のし袋の表書きや袋へのお金の入れ方は?
弔事の表書きは”薄墨”の毛筆です。
諸説ありますが、悲しみの気持ちを表すため薄墨で書くのがマナーといわれています。
仏式(葬式)
水引は黒白、双銀の結び切り。表書きは「御霊前」「御香料」とします。
仏式(浄土真宗)葬式
袋や水引は他の仏式と同じ。表書きのみ「御仏前」「御香料」と変えます。
神式
水引は黒白、双白、双銀。表書きは「御榊料」「御霊前」「玉串料」とします。
キリスト教式
キリスト教専用の袋を使います。水引は付けず、表書きは「御霊前」「御花料」とします。
謝礼の表書きと水引の例
寺院
白無地の袋を使います。水引は付けず、表書きは「御布施」とします。
神社
白無地の袋を使います。水引は付けず、表書きは「御祭祀料」とします。
教会
白無地の袋を使います。水引は付けず、表書きは「献金」とします。
交通費
白無地の袋を使います。水引は付けず、表書きは「御車代」とします。
世話役へのお礼
白無地の袋を使います。水引は付けず、表書きは「薄謝」「御礼」「寸志」とします。※「寸志」は目下・同輩にしましょう。目上には失礼になります。
中包みの書き方
現金を包み祝儀袋に入れます。
祝儀袋とセットになっていることがほとんどですが、なければ半紙を代用します。
中包み表面の書き方
同封した金額を縦書きで明記します。市販のもので裏側に金額の記入欄がある場合は、そちらに書きます。ちなみに、算用数字より漢数字で書くのが丁寧です。
中包み裏面の書き方
贈り主の住所と名前を明記します。弔事の場合、親族が贈り主のことを知っているとは限らないので、郵便番号を含めて書いておくと親切です。
お香典の金額は、自分と故人やそのご遺族の関係性によって変わってきます。相場より大きく外れた高い金額を包むと、後々ご遺族のご負担になり兼ねませんので注意した方がよいでしょう。さらに宗教、宗派によってのし袋の表記など変わってきますので、弔問に行く前に確認して正しいマナーでお包みしましょう。