ご親戚やご友人などの訃報のお知らせを受け、お葬式に参列したいが、諸事情によりどうしても参列できないということもあるでしょう。その際、お香典をどのようにしてお渡ししたらいいのか迷いますね。
郵送したら失礼にならないのかしらと思う方もいらっしゃると思います。ここでは香典の郵送について書いてみたいと思います。
そもそも香典とはなに?
香典とは、お花やお香の代わりにお悔やみの気持ちをこめてご霊前に供える金銭のことを指します。
寝ずの番をしていたころは多量のお香やろうそくが必要だったため、近隣の人たちがそれぞれ持ち寄っていました。
お葬式を近隣者同士でとり行う時代や地域もありました。喪家はご葬儀のためにお手伝いをしてくれる方々のために炊き出しをし、その代わりに食物や米など炊き出しの材料をお供えしていたのです。
しかし時代の変化と共に、お香や食物などの物のやりとりがなくなっていき、喪家の急な出費を互いに助け合う相互扶助の考えから、金銭をお供えするスタイルへと変わっていったとされています。
香典を直接お渡しできない場合は?
通夜やお葬式に参列したいが、諸事情でどうしても参列できない場合、どのようにして香典をお渡しすればよいでしょうか。
後日、ご自宅に訪問できるのであればお持ちしてもよろしいかと思います。
しかし、お葬式が終わってからは喪家の方々もお疲れになっていらっしゃるでしょうし、お勤めの方はお休みしていた通勤を再開していらっしゃるかもしれません。それを考えると、香典を郵送した方がいい場合もあります。
ただし、香典をいただいた喪家が、返礼品を送らなければいけないという手間を考えたら、お持ちする方がいい場合もあります。
どのようにしたらよいのかは、お相手の事情などを考慮に入れてお考えになった方がよろしいでしょう。
香典を郵送する場合は?
香典を郵送することはマナー違反ではありません。しかし、以下のことに配慮して送るようにいたしましょう。
- 現金書留で送る
香典は現金ですから現金書留で送りましょう。その際、現金を直接、現金書留用封筒に入れないようにしましょう。
まず、現金を香典袋に包み、自分の住所と氏名を記入します。それを現金書留用封筒に入れ、封筒にも自分の住所と氏名を記入しましょう。準備ができましたら郵便局の窓口に持っていき送ります。 - 挨拶文を添える
香典だけを入れて送るよりも、相手へのお悔やみの気持ちを添えて送るとよいでしょう。お悔やみの言葉と相手への心遣いを一筆箋のようなものに書くか、便箋に書いて小さく折って入れるようにしましょう。
家族葬を行う方が増えていて行きたくても行けないことも多いお葬式…。そのようなことを考えると、香典を郵送することも以前より多くなっているかもしれません。郵送しても相手を想うお気持ちは変わらないと思います。心遣いを忘れずに、ここで書いたことに注意しながら送るようにいたしましょう。