逝去と死去の違いや適切な使い方とは?

人が亡くなった時に「死去」や「逝去」という言葉を使います。同じ意味を持っている言葉ですが、どのように使い分けするのがいいのでしょうか。ここではその使い分けについて書いてみました。

「死去」はどのように使うのか

「死去」は人が死んでこの世を去ることを意味します。
これは尊敬語ではないため、家族や身内が亡くなったときに使います。ただし自分が勤めている会社の社長や、自分が所属する組織などのメンバーが亡くなった時、それをお取引先や外部の方にお知らせする時は「死去」を使います。

「逝去」はどのように使うのか

「逝去」は「死去」の尊敬語です。

よって、家族など身内の死に対しては使いません。「逝去」は身内に当たらない人の死を人に知らせる際に使います。

また、会社の部下や年下の友人など、敬語を使うことがなかった相手に対しても、「逝去」を用いて弔意を表します。

「逝去」を用いるのは、社長や上司など、自分より立場が上の人に対してだけではないの で覚えておきましょう。

さらに、「ご逝去」という言い方をよくいたしますが、これは文法的には二重敬語で誤った使い方とされます。「逝去」の時点で尊敬語であるため、「ご逝去」や「逝去された」は二重敬語と考えられるからです。本来であれば、文法的に正しい言い方は「逝去した」です。ただし、「ご逝去」も死という厳粛な事態を前にして、より相手や遺族に配慮したふさわしい表現とも言えるでしょう。

「死去」と「逝去」、使い分けの具体例とは

例えば、自分が勤務する会社の社長が亡くなったとき、取引先には「死去」を使います。

しかし、社員への通知などは逝去を使います。尊敬語と謙譲語の使い方はこの「死去」「逝去」に限らず紛らわしいことが多いですが、人が亡くなることを伝えるという意味では、しっかりと使い方を知っておく必要があるでしょう。

父親が亡くなってお知らせする場合

「○月○日、入院中の父が死去いたしました」

勤務する会社の社長が亡くなって取引先にお知らせする場合

「昨日の深夜に弊社社長が死去いたしましたのでご報告申し上げます」

勤務する会社の社長が亡くなって社員にお知らせする場合

「昨日の深夜に社長が逝去されました」

   

*「逝去」に関連する言葉で「急逝」があります。「逝」という言葉が入っていますが、尊敬語ではないため、こちらは身内でも身内以外にも使います。使用例としては

  ・「父が不慮の事故により急逝いたしました」

  ・「○○様のご急逝を悼み心よりお悔やみ申し上げます」などです。

ここまでご説明してまいりましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
死去や逝去には場面や立場によって使い分けの決まりがあります。

人が亡くなっている場面では、大切な方を失った悲しみもあり、普通の状態ではないことが多いので、言葉遣いには一層気を遣う必要があります。

普段からしっかりと使い分けを身につけるようにいたしましょう。

その他、参列のマナーはこちらをご覧ください。

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