相続財産の名義変更手続き

相続財産の名義変更する為には、いろいろな準備や確認が必要になります。
不備があるとやり直しになり、さらに大変な思いをするかもしれません。
今回は「相続財産の名義変更手続き」について、相続サポートセンター所長の佐藤様とスタッフの管野様に解説をしていただきました。

知っているとすごく役立つお話ですよ。

〈この記事で出てくる相続用語〉

【相続】 相続人が被相続人の財産を引き継ぐこと。
【遺贈】 相続人以外の人が遺言によって被相続人の財産を引き継ぐこと。
【被相続人】 亡くなった人。故人。
【相続人】 被相続人の財産を引き継ぐ権利がある人。

仙台相続サポートセンターさまご紹介

佐藤 智春さん
仙台相続サポートセンター所長  相続専門税理士
専門分野相続税・贈与税・所得税・事業承継・黒字解散

管野さん
仙台相続サポートセンター新人スタッフ

相続手続きの流れ

「相続人が誰なのか、相続財産は何のことを指すのかを教えて頂きましたが、相続財産を引き継ぐための手続きはどういったことをしなければならないのでしょうか?」

「手続きをしなければならない主な財産は預貯金・株式・不動産・車などが挙げられます。それらの手続きは以下の流れで進める必要があります。」

「遺言書があるかないかで結構違いがありますね。」

戸籍の収集

「戸籍は遺言書があっても無くても必須になってくるんですね。」

「戸籍は相続人や受け取る人を確認するためとして必要ですが、集める戸籍の範囲に違いがあるのがポイントです。」

遺言書有:亡くなられた方の最後の戸籍、財産を受け取る方の戸籍
遺言書無:亡くなられた方の出生~死亡の連続した戸籍、相続人の現在戸籍等

「遺言書が無く、相続人が第三順位の兄弟になる場合は収集する戸籍の量はかなり増えます。また、戸籍を収集してみたら家族が把握していない相続人がいた。というケースもあります。」

「『相続人が誰になるかくらい、だいたい分かっている』と安心せずに、 しっかりと戸籍を収集して、調査するのが大事なんですね。」

財産の調査

「財産の調査と言っても、例えば不動産は毎年市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書で確認できると思うのですが?」

「固定資産税の納税通知書には、評価額がつく不動産しか載っていなかったり、複数人で不動産を所有していた場合、代表者のみに納税通知書が送られているため、すべての不動産が載っていないこともあります。」

「持っているすべての不動産を調べるにはどうしたらいいのですか?」

「不動産の調査としては名寄帳を取得することをおすすめします。
名寄帳とは、所有者が持っている不動産を一覧表にまとめたもので、不動産がある市町村役場で写しの交付を受けることができます。」

「名寄帳を取得するのに注意点はありますか?」

「窓口で発行を依頼する際に、「評価額がつかないもの、共有名義のものもすべて載せてください」と伝えると漏れなく記載してもらえます。
また、市町村ごとにしか名寄帳は出せないため、複数の市町村に不動産を持っている場合はそれぞれの役場で発行を依頼する必要があります。」

遺産分割協議

「遺産分割協議は・・・あまり聞き慣れない言葉です。」

「遺産分割協議とは、相続人間での相続財産をどのように分けるかの話し合いのことです。話し合いがまとまったら遺産分割協議書を作成し、相続人全員での署名と実印での押印が必ず必要になります。」

「全員がその財産の分け方に納得した、という証明のために遺産分割協議書が必要なんですね。」

「相続人全員の署名押印がなされた遺産分割協議書は一度完成すると、相続人全員の同意を得ない限り作成し直すことができません
財産が漏れていた場合は、記載されてない部分の財産に関して別途遺産分割協議をして協議書を作成する必要があります。」

「そうなるとまた相続人全員の署名押印をしなければいけなくなるんですか。

なるべく漏れが無いように作成しなければいけませんね。」

「遺産分割協議書が整った上で、ようやく名義変更手続きをすることができます。

戸籍や財産資料の収集、遺産分割協議書の作成に自信が無い場合は、ぜひ仙台相続サポートセンターにご相談ください。」

相続は慣れないことばかりの連続です。
ひとりで抱え込まず、こじれる前に専門家へ相談しましょう。
また、終活を考えている方は遺言書の作成もぜひご相談を。
有効な遺言書は残されたご家族の負担を減らしてくれるものですからね。

それでは、身近な相続の話、次回もお楽しみに。

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