
家族から引き継ぐ大切な資産を守るため、「小規模宅地の特例」の恩恵が受けられるようにしておきたいですね。さらに2027年1月から加わる「5年ルール」も含めて条件を確認しておきましょう。

佐藤 智春先生
みらいえ相続 相続専門税理士
専門分野:相続税・贈与税・所得税・事業承継・黒字解散

土地つぐ(とちつぐ)
「大切な土地を、確かな未来へ。」 相続された土地を守り、次世代へ繋ぐために現れた勇者。大きな包容力で相談者の心に寄り添い、土地にまつわる不安を解消してくれる、不動産相続の心強い味方。

「佐藤先生、前回『小口不動産』のルールが厳しくなるお話を聞きましたが、私たちが頼りにしている『小規模宅地等の特例』は大丈夫なんですか?これって相続税が安くなる大事なルールですよね。」

「その通りです。亡くなった方の土地を引き継ぐ際、土地の価値を『2割』や『半分』として計算してよい、国が認めた強力な割引ルールです。でも土地つぐさん、実はこれには『亡くなる直前の対策だと割引を認めないよ』という厳しい時間制限があるんですよ。」
アパートの土地の評価を「半分(50%)」にするための3年待ち

「アパートを建てて貸していれば、その土地にかかる相続税の計算を半分(50%引き)にできるんですよね?」

「はい。ですが、そこには『始めてから3年経たないと認めない』というルール(3年縛り)があるんです。」
今年(2026年)始めた場合: 3年後の2029年まで元気なら、土地の評価を半分にして相続税を計算できます!
来年(2027年)始めた場合: 3年後の2030年まで元気でいないと、割引は受けられません。

「1年先延ばしにするだけで、割引を受けられる『合格ライン』が1年遠のいてしまうわけですね。相続税はいつ発生するか予測できないからこそ、早めの準備が大事なんですね。」
2027年1月からは「5年の壁」も加わります

「さらに来年(2027年)からは新しい評価ルールが加わり、ダブルチェックの状態になります。」
新しい「5年ルール」: 2027年1月以降、亡くなる前5年以内に手に入れた賃貸不動産は、安い評価ルール(路線価など)を使わせてもらえず、「買った時の値段」に近い高い金額で相続税がかかるようになります。

「直前に慌てて動くと、『土地の評価そのものが低くならず(5年ルール)』、さらに『不動産評価を半分にする割引にもならない(3年ルール)』というダブルパンチになりかねないんですね。」
今年(2026年)が「今のルール」で贈与できる最後のチャンス

「新しいルールは2027年1月1日から始まります。だからこそ、今年(2026年)のうちに不動産を買ったり、お子さんに贈与したりすることで、将来の相続税を抑えるための土台を『今の有利なルール』を使うことも考えられます。」
※ここがポイント! 「小規模宅地等の特例」は、相続で引き継いだ時に使える割引です。生前に土地を「贈与」してしまうと、この割引(80%・50%引き)は使えなくなります。贈与で先に渡すか、相続まで待って割引を使うかは、プロと相談して慎重に決める必要があります。
今すぐチェックすべき「土地を守るポイント」
□「自宅」の特例を最優先に! 自宅の土地なら、なんと価値を『2割』として計算できる(80%引き)最強のルールです。アパートよりも条件が優しいので、まずはここを確実に使えるようにしましょう。
□「3年・5年」を逆算する 今持っている不動産が、いつ「合格ライン」を越えるか、一度プロにシミュレーションしてもらいましょう。
まとめ
- 2027年1月から評価激変:来年からは「買った値段」で税金がかかる時代に。
- 小規模宅地等の特例は「時間」が必要:3年経たないと50%引きは使えません。
- 自宅の特例は守りの要:まずは「自宅の土地の評価額」を8割減らせる対策を確実に。

「『節税できる』という言葉だけに飛びつかず、どんな特例を使うのが有利なのか判断しないといけませんね。」

「その通りです。特に今は制度が切り替わる直前の大切な時期です。目先の数字だけでなく、『将来を見据えた慎重な判断』や、『対策により生じるデメリットを理解した上での決断』が家族の資産を守ることにつながりますよ。」
次回も相続について学びます。お楽しみに!
制度が切り替わる直前の節税対策は特に判断が難しくなります。先々のことを考えておかないと取り返しのつかない事態になりかねません。専門家への相談をおすすめします。
