終活カウンセラーのサラダです。今回は終活の便利アイテム「エンディングノート」についてお話ししましょう。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、「自分らしく生きるために、自分のこれまでの歩みと自分の現状、そしてコレカラの希望を綴るノート」といわれています。自分自身のこれまでの歩みや家族や親族のこと、生きているうちにやってみたいことなどを書き込みます。また、土地家屋、金融財産や加入している保険の内容を書き込むことで遺言書作成や相続の準備として役立てることができます。
エンディングノートを書くことは、自分自身を見直し、不安への対策を講じる土台を整え安心して人生を謳歌するきっかけになります。
人生を謳歌するのに役立つエンディングノートですが、活用している方は現状ではまだ少ないようです。50歳以上を対象にしたアンケート調査によると、エンディングノートを知っている人は80%を超えているものの、実際に書いたことがある人は20%足らず。書いたことのない人の大半はエンディングノートを未来の自分や家族に必要だと思うので今後書き始めたいと考えていました。書き込むことで得られるメリットや重要性を分かっていても、後回しにしがちなようです。
実際にエンディングノートを書いて、人生の第2章を歩み始めたケースをご紹介しましょう。
エンディングノートで人生の第2章がはじまった 静夫さんの事例
静夫さん(仮名・65歳)は、毎日を漫然と過ごしていました。元々、内向的な性格で過ぎたことをクヨクヨ考えることもあります。趣味もなく過ごす静夫さんに、奥さんの態度が以前より冷たくなったように感じていました。
ある日、町内会の集まりでエンディングノートをもらいました。「面倒だな」と思ったものの、有り余る時間の中で少しずつ書き込むうちに心境に変化が現れました。
漫然と過ごすうちに忘れていた、自分がこれまで大切にしていたことや熱意を持って取り組んだことを思い出しました。また、保険や土地家屋、財産について書き込むと、具体的な資産価値や相続税が気になりだし、相続相談会に参加しました。なにより変化があったのは、将来に希望を持ち始めたことでした。
時間ができたら妻と旅行に行こうと考えていたことを思い出し、旅行代理店や本屋への外出が増えたそうです。
静夫さんは、エンディングノートを書き上げたことで「65歳まで過ごした人生の第一章にけじめをつけられた。色々あったけど充実した生き方だったと思う。これから75歳までは人生の第二章。75歳でもう一度エンディングノートを書いた時に書きごたえのあるような生き方になるように、趣味や友人家族との時間を充実させたい」と目を輝かせました。
エンディングノートではじめる「生き支度」
エンディングノートはその名前から終焉の準備をする「死に支度」のイメージを持つ方が少なくありません。しかし、エンディングノートに取り組むことで、心境の変化があり、人生を前向きに取り組むような方は多くいらっしゃいます。
「めんどうだな」と思う方でも、一度はエンディングノートを手に取ってみてはいかがでしょうか。