相続にも生前対策ができるのをご存知でしょうか?
今回は認知症対策のお話です。高齢化社会の今、誰にでもリスクのある身近な問題なのですよ。
自分の事を自分で決められるうちに、まずは「知る」ことから始めましょう!
この記事で出てくる相続用語
【相続】 相続人が被相続人の財産を引き継ぐこと
【争族】 遺産相続をめぐって争う親族の事。あるいは親族同士の争い
相続サポートセンター様のご紹介
佐藤 智春さん
仙台相続サポートセンター所長 相続専門税理士
専門分野相続税・贈与税・所得税・事業承継・黒字解散
管野さん
仙台相続サポートセンター新人スタッフ
「さて、前回までは相続が発生してからのお話をしてきました。 今回からは『将来について考える』という事をテーマで、生前対策についてお話していきたいと思います。」
「将来について考える……とても大事な事ですね。テレビで終活という言葉もよく聞くようになりました。ただ、どうしても元気なうちには、あまり家族とは話したくないです…」
「そうですね。亡くなってからの事を話すなんてタブーな事のようなイメージが強いですよね。ですが、相続は突然発生する事、必ず起こることでもあるため、事前にしっかり準備を進めておけば、慌てずに済みます。ですから、元気なうちにしっかり準備をしていきましょう。」
生前対策にはどんなことがある?
「一口に生前対策と言っても、大きく分けて3つあるんです。」
「3つですか?節税対策と遺言書の作成はぱっと思い浮かぶのですが…」
「そうですね。よく聞くのは節税対策や遺言書作成ですよね。残り一つは、認知症対策です。」
生前対策は大きく分けて3つあります
1.認知症対策
ご自身の意思判断能力が低下した際の対策
2.争族対策
ご自身が亡くなった後の、遺産の分け方を決めておく、相続人が話 し合いで揉めないようにする対策
3.相続税対策
①節税対策
➁納税資金対策
「以前テレビで見たのですが、日本の65歳以上の認知症の割合は、6人に1人だそうです…多いですね…」
「そうですね。そして、認知症は高齢者だけがかかる病気ではなく、65歳未満の方もかかる可能性があり、割と身近な病気なんですよ。ですので、元気で行動ができるうちに、対策をしていきたいですね。
では、今回は上記の3つの対策の中から、認知症対策についてお話をします。」
「認知症対策としては任意後見制度と家族信託の2つの方法があります。以下の図でそれぞれのメリットデメリットを説明しますね。」
認知症対策
任意後見制度
判断能力が低下した時に備え、ご自身の財産管理などを事前にお願いできる制度です。
メリット
・自分自身で、財産管理や身の上介護を行ってくれる人を指定できる
・契約内容が登記されるため、公的に証明できる
・後見人に対して、自分で報酬を決めることができる(有償・無償どちらも可)
デメリット
・意思判断能力が低下していると、契約できない
・本人の死後の事務や遺産整理を委任できない
・後見人には、監督人が定められるため監督人へ支払う費用が毎月かかる
家族信託
認知症対策と節税対策が一貫してできる方法です。
メリット
・親(高齢者)の判断能力が低下しても子が財産管理を継続できる。
・成年後見制度と比べ柔軟な財産管理ができる
・ランニングコストがかからない
デメリット
・信託の仕組みの理解が難しい
・信託期間中の運用を間違うことが多い
・仕組みの構築に時間と手間、費用が多くかかる
・財産管理に混乱を招くことがある
※正しい知識の下で行わないと、争いの原因になり兼ねますので、注意が必要です。
「ご自身やご家族の状況に合わせてご検討いただきたいです。」
「元気なうちにこそ、行動に移すべきなのですね。わたしも両親や祖父母と話してみます。」
「弊社では生前対策プランのコンサルティングを行っております。残していく方たちの為に、何をしたら良いか分からないという方は、ぜひ仙台相続サポートセンターにご相談くださいませ。」
相続は誰かが亡くなることで発生します。ですから、それまでは何の対策もしていない方が多いのではないでしょうか。
元気なうちだからこそ、自分で考え、家族で話し合い、行動することができるのです! 後悔しないために、もっと気軽にプロを頼りましょう。