宮城県栗原市 重要無形文化財 正藍冷染との出逢い Vol.3

以前、宮城県北での仕事を担当していたおたまの母。自ら終活を進め、その一環で思い出の地栗原市へ連れて行ってほしいというリクエスト。母の行きたいところ巡りをドライブ気分で受け、国宝指定の伝統を受け継ぐ「正藍冷染」の伝統に感銘を受け、この技の着物を着たいと単を仕立てることになりました。

1|実りの秋、単の季節到来
2|お仕立て上がり!
3|街へお出かけ
4|まとめ

1|実りの秋、単の季節到来

8月が過ぎたばかりだというのに、季節はもう秋。稲穂が頭を垂れる季節になっていました。

佐々木さんから、明日出来上がるわよ!とご連絡をいただいたのが、9月1日。お仕立て寸法測定から2週間もたっていませんでした。和装士の方に「単だからね、大急ぎでお願いね!」と頼み込みいただいたとのこと。着物に長襦袢、あまりにも早いお仕立てをしていただき本当にありがとうございました。時すでに9月。単シーズン突入のため、善は急げ!お引き取りに向かわせていただきました。

2|お仕立て上がり!

2枚のたとう紙に包まれた着物と襦袢は、どちらも色無地。色無地は、お部屋の壁紙と一緒。ご存じの方はピン!と来たかと思われます。店舗改装ディレクションも経験していたおたま。“クロスサンプルの怖さ“を重々経験して来ました(-_-;) 色無地の場合、リフォームの壁紙選びと一緒で小さい面積のものが大きくなると色のトーンが変わって見えるのです。その経験もあり、恐らくこんな色??と仕立て中に想像し、実際に触れたときに落ち着けるようイメトレも事前に完了。
いよいよ、たとう紙の紐を解く日がやってきました。

想像以上の色合いの仕上がりに感動です! LED灯の下では緑が立ち、蛍光灯や太陽の下では藍色が立ち、藍自身が光に合わせ良い色を見つけて発色させているかのよう。藍染の小物は持っていますが、色変わりというのは見たことがありません。正藍冷染って、本当に不思議な染物です。自宅にあった帯を持ち込み合わせて満足していましたが、前回お邪魔した時に佐々木さんが合わせてくれた正藍冷染 牡丹唐草型の帯も忘れられない逸品。紬とは言え、一段と格が上がります。

3|街へお出かけ!

着物というものは洋装と異なり、衣替えの時期が多くあります。袷/単/絽・紗・浴衣と着まわしながら、年4回の着物や小物の衣替えをしなければなりません。単の仕立てになるので、着用できる時期は6月と9月だけの2ケ月間。この時期を逃しては着用が来年になってしまう!!!と、いざ、街へ繰り出してみました。

ちょうどこの日は、おたま大好物(*^^)v  宮城の酒蔵さんと飲食店さんがコラボする「仙台で吞む!日本酒はしご酒」というスタンプラリーイベントの日。推しの日本酒を蔵元さんが直々に説明しながら注いでくださり、そのお酒に合わせたお店渾身の一皿が用意されるというスペシャルなイベントです。稲刈りはまだ始まっていないので、昨年秋以降に醸されたお酒の数々。この季節の定番ひやおろしや、このイベントのために用意された隠し酒が揃ずら~り。

今年で3回目を迎える至極のイベントですが、コロナの影響で2年ぶりの開催。着物で街を歩くお若い方もちらほら!(^^)! 来年もぜひ開催してほしいと願い、10スタンプを獲得! 途中からあいにくの霧雨模様となりましたが、曇り空の下、生地の色味がまた変わって見えました。

4|まとめ

おたまは、大概オークションサイトやお譲りサイト専門。USEDではありますが、比較的いいものが破格のリーズナブルプライスに入手できるのでよく使っています。これもある意味SDGsですね。洋服もそうですが「いらないから捨てる」のではなく「いらないから使いたい人に使ってもらう」という選択肢、今だからできることではないでしょうか。もし、おうちに眠っている箪笥の肥やしがあれば、そのようなサイトも使ってみてはいかがでしょう。

次回は、最終章。かかわる人々をご紹介します。

<Vol4につづく>

※参照リンクは、Wikipedia、を参照しています

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