
2027年から小口不動産のルールが変更になることをご存知でしょうか。節税を期待して小口不動産を購入していた方は要注意です。

佐藤 智春先生
みらいえ相続 相続専門税理士
専門分野:相続税・贈与税・所得税・事業承継・黒字解散

土地つぐ(とちつぐ)
「大切な土地を、確かな未来へ。」 相続された土地を守り、次世代へ繋ぐために現れた勇者。大きな包容力で相談者の心に寄り添い、土地にまつわる不安を解消してくれる、不動産相続の心強い味方。

「佐藤先生、最近よく聞く『小口不動産』の節税って、何がそんなにすごかったのですか?」

「簡単に言うと、『1,000万円の現金を、魔法で260万円に見せかける』という裏ワザだったんです 。でも、ついに国から『その魔法は禁止!』と怒られてしまいました 。」
「魔法」が使えなくなる新ルール

「簡単に言うと、『1,000万円の現金を、魔法で260万円に見せかける』という裏ワザだったんです 。でも、ついに国から『その魔法は禁止!』と怒られてしまいました 。」
「これまでは不動産の特別な計算ルールを使って、税金を安くできていましたが、今後はそれができなくなります。」
- 「買った時の値段」で計算:今後は、評価を下げることはできず、「実際に売買されている価格」で税金を計算することになります 。
- 「昔買ったから大丈夫」はナシ:普通のマンションなら「買って5年経てばOK」という救済がありますが、小口不動産はいつ買ったものでも一律で厳しいルールが適用されます 。
- 2027年1月からスタート:この新しいルールは、2027年以降に亡くなったり、贈与したりする場合に適用されます 。

「えっ!昔買った分まで対象になるのですか?」

「そうなんです。だから今、業界は大騒ぎになっています。
具体的にどれくらい損をするの?(GINZA SIXの例)
(1) これまでの「超お得」な世界
- 近年で有名な小口不動産はGINZA SIXです。例えばGINZA SIX を1,000万円分買った場合、これまでは計算上の価値を264万円まで下げられました 。
- その結果、相続税を最大400万円も減らせるケースもありました 。
(2) これからの「厳しい」現実
- 価値が下がらない:これからは、1,000万円で買ったら、税金の計算はそのまま1,000万円で計算します。
- 節税メリットがゼロに:わざわざ手間をかけて小口不動産を買っても、現金で持っているのと税金が変わらなくなってしまいます 。

「1,000万円が264万円での計算になるから買っていたのに、そのままなら買う意味がないですね…。」

「その通りです。」
まだ残されている「救い」はある?

「もう何も手はないのでしょうか?」

「いえ、実は『小規模宅地の特例』だけは、まだ使える可能性があります。」
- 「大家さん歴3年」が条件: 亡くなる3年以上前からその不動産を貸している(運用している)必要があります 。
- 計算のイメージ:評価1,000万円の物件でも、この小規模宅地の特例が使えれば500万円くらいまでは下げられる可能性があります。
- 贈与にはこの特例は使えないので注意。

「以前の『1,000万円が264万円に』という数字は魅力的でしたが、今の環境下ではこれがリスクを最小限に抑える賢明な選択になりますね。」

「その通りです。無理な節税を追うより、確実な守りを固める方が今は大切ですね。」
まとめ
- 小口不動産のルール変更:2027年から、いつ買ったかに関わらず不動産の評価を下げることはできなくなり、その結果税金が高くなります 。
- 節税効果がガクンと減る:昔のような極端な節税は期待できません。
- 2026年が勝負:もし対策をするなら、ルールが変わる前の年内がチャンスです。

「節税できるからと飛びつかず、中身をきちんと見ないといけませんね。」

「その通りです。特に今は制度が切り替わる時期なので、慎重な判断が必要です。」
次回も相続について学びます。お楽しみに!
不動産の特別な計算ルールを使って節税できる時代は間もなく終了します。対策を講じるなら専門家にしっかり相談してからにしましょう。
