争族対策とは

家族間の“相続”が“争族”になってしまったら…。こんなに悲しいことはありません。

「うちの家族はみんな仲良しだから大丈夫!」残念ながら、それだけでは揉めないという保証にはならないのです。
事例を自分に当てはめて、ちょっと考えてみませんか?

この記事で出てくる相続用語

【相続】 相続人が被相続人の財産を引き継ぐこと
【争族】 遺産相続をめぐって争う親族の事。あるいは親族同士の争い

相続サポートセンター様のご紹介

佐藤 智春さん
仙台相続サポートセンター所長  相続専門税理士
専門分野相続税・贈与税・所得税・事業承継・黒字解散

管野さん
仙台相続サポートセンター新人スタッフ

 

「さて、前回は『将来について考える』という事をテーマで、生前対策についてざっくりお話しました。生前対策は大きく分けて3つありました。」

「1.認知症対策、2.争族対策、3.相続税対策ですね。」

「そうです。前回は1つ目の認知症対策までをお話しましたね。今回は争族対策についてお話ししましょう。」

「争族。争うという字ですね…家族間でそんなに揉めるんでしょうか。」

「意外に親しい間柄ほど争い事が起こるものです。争うことのないよう、事前に対策していくにはどうしたらよいかご説明します。」

争族対策

 

「争族対策とは、遺産分割の際に相続人同士が相続財産をめぐって争うことの無いように、予め対策を講じるということです。そこでよく用いられる方法が『遺言書』です。」

「遺言書で対策ができるんですね。」

「相続が発生すると、相続人間で遺産分割について話し合い、遺産分割協議書を作成する必要があります。相続人全員が納得するように話をまとめるのは、難しいものです。2人兄弟であっても、争うことがあります。また、相続人が被相続人の兄弟(第三順位)の場合や、家族関係が複雑な場合は、話がまとまりづらくなります。」

「人数が増えると揉めるとは思うのですが、2人兄弟でも、争うことがあるんですか?たった2人の兄弟なのに。想像できません。」

「これは、財産の額に関わらず、どこの家庭でも起こり得る話です。そうならないために、口約束やメモ、エンディングノートに想いを書くだけでなく、遺言書として、残してあげることが大切です。そして遺言書の中でも、公文書として保管できる『公正証書遺言書』で作成することをおすすめいたします。」

「争族になりやすい状況ってありますか?」

「例えば、こんな場合が想定されます。」

争族になりやすい事例

相続人のうち1人だけが献身的に介護をしていた(している)場合

家族が、介護状態になったときに、他の家族が無関心、または遠方で手伝いたくてもできない。そのような状態が続いた後に、相続が発生すると「法定相続分で分けたい」主張と「介護を行っていた分、少し多めに財産が欲しい」主張があり、争いになる場合があります。

相続人のうち、1人だけが贈与を受けていた場合

相続発生後、相続人のうち1人だけが生前贈与を受けていたことが判明。他の相続人は「生前に財産を貰っていたにも関わらず、相続発生後も財産を貰うのは不公平だ」と主張し、争いの種になります。贈与を行う際は、できるだけ平等に贈与を行うことが好ましいです。

相続人のうち、1人だけが親と同居していた場合

親と同居をしている場合、生活費を互いに負担(支援)することがあると思いますが、親の相続発生後、離れて暮らしている相続人が財産を均等に分けることに不満を覚える場合があります。

  • 自分たちは自分たちの給料だけで生活しているが、親と同居している相続人は、固定資産税や自動車税、孫へのお小遣いなど金銭的負担(支援)の差がある。
  • 財産を隠し持っているのではないか(憶測によるもの)など

財産のほとんどが不動産で、現預金が少ない場合

相続人となる方は、ほとんどの方がマイホームをもっている場合が多く、被相続人(亡くなった方)が住んでいた自宅を貰うことに抵抗を持つ傾向にあります。その場合、相続人同士が「現金はほしいが不動産はいらない」となった場合に、財産の押し付け合い状態になることがあります。相続税が発生する場合は、納税資金を自己資金から手出ししなければならないこともあるため、事前に売却して現金化にしておくなどの対策も検討する必要があります。

離婚など、家族構成が複雑な場合

前妻(夫)との間に子どもがいた場合、その子どもも相続人になります。亡くなった方とは疎遠だったため、放棄する方もいますが、相続人として、財産をもらえる権利があるのなら、もらいたいと主張する方もいます。異母(夫)兄弟とはいえ、ほぼ他人状態でいると、話し合いがまとまらなくなる可能性が極めて高いです。

まずは家族で話し合い

 

「いろいろなパターンがあるんですね。まずは争族にならないよう、家族みんなと話し合ってみます。」

「そうですね、まずは話し合うことが大事ですね。争族が起こらないようにするためには、遺言書はよく用いられる方法ですが、遺言書が必要ない場合もあります。次回は遺言書が必要かについてお話していきます。」

「はい、お願いします。」

「弊社では今までの経験・知識よりそのご家族に合わせて適切な生前対策プランのコンサルティングを行っております。争族にならないために何をしたら良いか、そのご家族の状況によっても異なります。少しでも不安だなと思うことがあれば、まずは仙台相続サポートセンターにご相談くださいませ。」

 

「争族」に発展してしまう例は様々。ご家族の数だけ、事情も対策も色々あるのです。
ここは経験豊富なプロの出番です! 適切な争族対策で、揉め事を回避できるかもしれませんよ。

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